宅地建物取引業(宅建業)免許の取得条件と会社設立の関係を徹底解説

会社設立に際し、「宅地建物取引業(宅建業)免許が必要だが、どうすればよいか」と疑問に感じる方は少なくありません。この記事では、宅建業免許の取得条件と会社設立との関係を、行政書士の視点から正確かつわかりやすく解説します。公式情報をもとに、誤った情報の混入を防ぎながら、実際に申請を考えている方や検討中の方の参考となる内容をお届けします。

宅地建物取引業とは、不特定多数の消費者を対象に、宅地や建物の売買・交換・賃貸の代理や媒介を反復継続して行う事業をいいます。この事業を営むためには、宅地建物取引業法にもとづく免許取得が義務付けられています。

宅建業免許を取得するためには、いくつか厳格な条件があります。主な条件を以下に整理します。

・免許申請者と商号が適合していること(会社の場合、法人名が適合している必要があります)。
・法人の場合、登記簿の事業目的に宅地建物取引業を営む旨の記載があることが求められます。
・事務所を設置し、その形態が適合していること(事務所は、社会通念上独立した形態であることが必要です)。
・代表者および政令使用人が常勤であること。
・専任の宅地建物取引士(宅建士)を、事務所ごとに従業者5人につき1人以上配置すること。宅建士は常勤で宅建業に専従している必要があります。
・営業保証金の供託または保証協会への加入が必要です。
・申請者(代表者・役員・政令使用人等)が宅建業法の欠格要件に該当しないこと。

宅建業免許は個人でも取得可能ですが、近年はほとんどの方が会社を設立して法人名義で申請しています。会社設立が宅建業免許取得に必須というわけではありませんが、法人化による社会的信頼や事業拡大の利便性から会社設立と宅建業免許取得をセットで検討するケースが非常に多いです。

会社設立に際して注意すべき点は、あらかじめ事務所となる場所を確保し、目的欄に宅地建物取引業を営む旨の記載を登記することです。会社設立後、宅建業免許申請に必要な各種書類(定款、登記簿謄本など)の準備と、事務所や専任宅建士の条件を満たすことが重要です。

申請は国交省または事務所の所在地都道府県知事に対して行います(事務所が1都道府県内のみの場合は知事免許、複数都道府県にまたがる場合は国交大臣免許)。

申請書類には、会社設立にかかる書類(定款、登記簿謄本)や、事務所に関する証明、専任宅建士に関する証明、営業保証金供託や保証協会加入関係書類、欠格事由該非確認書などが含まれます。

審査期間は一般的に30~40日程度ですが、申請内容や調査の状況により前後します。最近は電子申請にも対応しており、都道府県によっては手数料の納付方法が変更されている場合があります。

例えば、「東京都内で不動産会社を設立し宅建業免許を取得したい」と考えた場合、まず事務所を確保し、資本金の払込、目的欄の記載も含めて会社を設立します。その後、宅建業免許の条件をすべて満たすよう準備を進め、専任宅建士を常勤で配置し、営業保証金供託または保証協会への加入を選択します。

宅地建物取引業免許は、不動産業を新たに始める際に不可欠な資格です。会社設立は宅建業免許取得と密接に関連し、事務所の確保や宅建士の配置など条件を満たすことが重要です。最新の申請要件や手続きについては、国土交通省や各都道府県の公式サイトを必ず参照しましょう。行政書士として、正確な手続きをサポートし、円滑な宅建業開業の実現に貢献します。