建設業を始めるには?建設業許可の取得要件と申請の流れ

建設業界に新規参入を目指す方にとって、「建設業許可の取得」は最初の重要なステップです。この記事では、建設業許可を取得するための要件や申請の流れを、最新の公的情報に基づいてわかりやすく解説します。

建設業許可とは、一定の規模以上の建設工事を請け負う場合に、国土交通大臣または都道府県知事から事前に与えられる営業許可です。許可の種類は「大臣許可(複数都道府県で営業)」「知事許可(1都道府県で営業)」に分かれます。

建設業許可の主な取得要件は、以下の通りです。

  • 経営業務管理責任者:建設業に5年以上従事した管理責任者が必要。
  • 専任技術者:資格や実務経験を持つ専任技術者を営業所ごとに配置。
  • 誠実性:法令違反・反社会的勢力との関与がないこと。
  • 財産的基礎:自己資本が500万円以上、または直前5年の借入等がないことなど。
  • 欠格要件:破産・禁固刑など一定の欠格要因がないこと。
  • 社会保険等の加入:健康保険・厚生年金・雇用保険の加入が必要。

特定建設業の場合は、さらに厳しい財産基盤(自己資本4,000万円以上、資本金2,000万円以上など)が求められます。

申請から取得までの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. 申請区分・要件の確認
    • 許可種別(大臣・知事/一般・特定)を確認し、自社がどの許可区分に該当するか調べます。
  2. 必要書類の準備
    • 許可申請書(行政庁ホームページで入手可)
    • 経営業務管理責任者・専任技術者の経歴証明
    • 登記事項証明書、納税証明書、営業所の写真など
    • 社会保険・雇用保険加入証明書
    • 財産証明書(決算書・残高証明等)
  3. 申請書類の提出
    • 営業所の所在地により、都道府県庁または国土交通省へ提出(窓口持参または郵送)
  4. 審査・補正
    • 行政庁による審査で、書類不備があれば補正指示
  5. 許可証の交付
    • 問題なければ2~3カ月程度で許可証が発行されます

書類不備や要件未達成の場合、申請は受理されません。社会保険未加入や、経歴・資格証明の不整合も多いので要注意です。また、許可取得後も毎年の決算報告や各種変更届出が必要になります。

たとえば、都内で住宅リフォームを行う個人事業主Aさん(40代、配偶者・子2人)は、元請け工事を年間5件以上請け負うため、建設業許可が必要と判断。5年の現場管理経験を活かし、専任技術者には資格を持つ従業員Bさんを配属。必要書類を行政書士に依頼し、2カ月後に知事許可を取得しました。

建設業を始めるにあたり、建設業許可の取得は営業継続の基盤です。事前準備・書類収集にしっかり時間を掛け、不備のないよう進めることがポイントとなります。要件・必要書類・継続手続を丁寧に確認し、公的機関の最新情報を必ず参照してください。