外国人でも設立可能!バーチャルオフィスで日本に会社登記は認められる?
はじめに
近年、海外から日本に進出したいという外国人経営者の方が増えています。その際によくあるご相談が、「バーチャルオフィスで会社を設立できるのか」という点です。この記事では、バーチャルオフィスの利用に関する最新の法令と、在留資格や許認可への影響、注意点についてわかりやすく解説します。
会社設立とバーチャルオフィスの基本
会社設立には本店所在地の住所が不可欠です。バーチャルオフィスは物理的なオフィスを借りずに住所だけ利用できるため、初期費用を大幅に抑えられる点が支持されています。実際、商業登記法では本店住所そのものに特別な制限はなく、同一名・同一住所以外であればバーチャルオフィスによる法人登記は可能です。
バーチャルオフィスで登記するメリット
- 初期費用が抑えられ、場所にとらわれない経営がしやすいです。
- 郵便物の転送サービスや受付対応があるため自宅住所を公開する必要がありません。
- 都心の一等地住所を取得することで信頼度向上の効果も期待できます。
外国人による会社設立は可能
外国人でも日本で会社設立は可能です。「日本人と同じように」株式会社や合同会社などの法人を設立できます。ただし、設立後に会社の経営を行うには相応の在留資格(主に「経営・管理」ビザ)が必要となります。
バーチャルオフィスの制限と注意点
一方で注意すべき点もあります。バーチャルオフィスは「登記」そのものは可能ですが、事業内容によっては行政の許認可申請・在留資格申請の際に「実態ある事務所」が必要とされます。例えば「経営・管理」ビザの場合、バーチャルオフィスだけでは事業所の独立性や事業の実態を証明できないため、審査で却下されることがあります。
また士業(行政書士・弁護士・税理士)は「業務可能な専用スペース」が必須とされ、バーチャルオフィスを登録住所として使うことは認められていません。
銀行口座や融資のハードル
法人設立はできたとしても、銀行口座開設や融資審査等でバーチャルオフィスは不利となるケースもあります。特に金融機関によってはバーチャルオフィス住所のブラックリスト登録がされていることもあり、審査通過できないことがあります。
事例紹介
例えば、東京都内のバーチャルオフィス住所でコンサルティング会社を設立したAさん(仮名・非日本人)がいました。設立自体は問題なく行えましたが、経営・管理ビザ申請時、物理的な事務所の賃貸契約書や写真の提出が求められたため、賃貸オフィスに契約変更し再申請となりました。また、銀行口座の開設でも一部金融機関は審査が厳しく、複数社で申請を繰り返して通過したとのことです。
利用時のポイント
- バーチャルオフィスを使う場合は、事前に法務局や行政書士会、金融機関の条件も確認しましょう。
- 許認可業や士業を行う場合は、レンタルオフィスや賃貸事務所の利用も選択肢になります。
- 在留資格の申請予定がある場合は、「実態のある事務所」を契約できるよう準備しましょう。
まとめ
バーチャルオフィスは外国人でも会社設立の本店登記住所として利用できますが、設立後のビジネスモデルや資格申請によっては物理的な事務所が必要となるため、実際の手続きや運営計画には注意が必要です。行政機関の最新情報を確認し、必要な場合は行政書士等専門家に相談することをおすすめします。