飲食店開業に必要な営業許可と保健所手続きのポイント

飲食店を新規開業する際には、「営業許可」と「保健所の手続き」が欠かせません。これらは食品衛生法などの法律で定められており、未許可営業は厳しく罰せられる場合があります。正しい方法で許可申請を行うことは、スムーズな開業の第一歩です。また、開業準備から申請、検査まで数週間かかるため、早めに準備を始めることが重要です。

飲食店を開業するには、まず営業所を管轄する保健所で「飲食店営業許可」を取得する必要があります。営業許可の申請は、「食品衛生申請等システム」等、オンラインや窓口で行えます。

主な必要書類は下記の通りです。
・営業許可申請書
・施設の構造および設備を示す図面(2部以上が一般的)
・食品衛生責任者の資格証明書(食品衛生責任者手帳等)
・法人の場合は登記事項証明書(法人番号未記載の場合)
・許可申請手数料(自治体ごとに異なる)
※取扱食品や営業形態によって追加資料が必要なケースもあります。

①事前相談
店舗内装の計画段階で、必ず管轄保健所へ図面を持参し事前相談を行いましょう。内装や設備に不備が多いと再工事が必要になる場合があります。保健所では、厨房設備や手洗い場、衛生管理計画等をチェックします。

②申請書提出
施設完成予定日の10日ほど前にはすべての書類を保健所へ提出します。

③施設検査
申請後、保健所職員が現地にて施設検査を実施します。清掃のしやすい床、シンクと手洗い場、ゴミ箱や食器棚の扉、虫やネズミの侵入防止など衛生面の基準が細かく定められています。

④許可証の交付
検査に合格すると「飲食店営業許可証」が交付されます。許可が出るまでは絶対に営業してはいけません。

開業にあたり、食品衛生責任者の選任が必要です。調理師・栄養士等の資格保有者、または各自治体・食品衛生協会主催の講習会修了者が要件となります。資格がない場合でも講習受講が可能ですので、開業準備期間中に申し込みましょう。

・施設の所在地を管轄する保健所で申請・検査を受けること
・開業地の条例や自治体によって必要書類や基準が異なる場合があること
・営業許可だけでなく、深夜酒類提供や風俗営業等、必要に応じた追加届出が必要なケースもあること
・2021年の食品衛生法改正以降、「飲食店営業許可」へ一本化され、「喫茶店営業許可」は廃止されています。

自分で申請するのが難しい場合、行政書士に依頼することも有効です。要件チェックから書類作成、保健所との事前相談、許可申請・現地立会いまで包括的にサポートが受けられます。専門家の知識を活かせば、手続きのミスや時間的ロスを減らすことも可能です。

例えば、「30代男性Aさん」が駅近くで小規模ラーメン店を開業準備中、内装設計を進める段階で保健所に直接相談しました。厨房の手洗い設備やゴミ箱設置など細かい指導を受け、計画段階から修正点を洗い出すことで、申請から検査、許可取得までスムーズに進みました。保健所の事前相談によって、後々の手続きトラブルを防ぐことができました。

飲食店開業には、営業許可申請と保健所での検査が不可欠です。早めに保健所へ相談し、必要書類や設備基準を確認することが、トラブルなく許可を得るコツです。食品衛生責任者の選任も必須のため、資格取得や講習受講も計画的に進めましょう。自分で難しい場合は、行政書士への依頼もご検討ください。正確な手続きで、安心して飲食店開業を目指してください。